利 益
<利 益>
「利益」は、マネジメントの成果として得ることができます。
それは、
①マーケティング(顧客への貢献)の成功と
※マーケティング 参照 クリックしてください
②経営資源の生産的活用
※生産性 参照 クリックしてください
によりもたれされたことを示す評価基準です。
長期の安定した「利益」は
①イノベーション(より良い顧客への貢献)の成功と
②戦略の実行とその実現
※戦 略 参照 クリックしてください
によりもたれされる評価基準です。
<利益の目的>
①顧客に貢献を継続・実行するための将来費用
②働く人の生活の糧となる分配
③社会及び利害関係者(ステークホルダー)への貢献
<自己目的の利益>
よくかん違いいされることがあります。
それは経営者と経営者の家族のために、利益があるという考え方です。
この考え方自体に善悪の価値基準をもち込むことには意味がありませんが、マネジメントにとっては不利な要因をもたらします。
それは、3つの不利な要因をもたらすためです。
①マネジメントの成功要件である顧客志向や従業員志向を阻害すること
②正統であり支持されるマネジメント活動への集中力を阻害すること
③再投資に必要な余剰・キャッシュフローの蓄積を妨げること
生業として行っている事業については、その根底にある考え方は「利己」的動機が主であるが、それは咎められることではありません。
しかし、事業として発展させてかつ経営者の利得を増加させる効果も考えあわせて考えるとき、
現実的な「利他」の実現を考えずに行う事業は、弱く衰退する運命を持ちます。
<利益の数式>
利益は、
①売上(収益)を多く実現すること
②売上を実現するためのコストを最も生産的(効果的・効率的)に活用すること
によってもたらされます。
利益 = 収益 ー 費用
利益のポイント: 収益 > 費用
ここでは、
費用(コスト)を費消しなければ売上(収益)は実現しないということです。
人、モノ、情報、知識などの経営資源を活用して、
効用(商品、サービス)をつくり込むときには費用が発生します。
※効 用 参照 クリックしてください
売上(収益)と費用(コスト)のあり方の特徴は
売上は、外的な要件によって実現するのに対して
費用は、内的な状況によって発生します。
そのため、
売上は、「効用」を顧客が購入することをとおして実現するのに対して
費用(コスト)は、企業活動により直接的に発生します。
費用(コスト)は、企業内部で直接的にコントロールできます。
<効用づくりについて>
効用とは、顧客が欲する売れる「モノ・コト」です。
最初に、最も大切なのは「我々のターゲットの顧客」に喜んでもらえるか感動してもらえるかどうかを予測し「効用」仮説をたてることです。
そのためには、この顧客のいる”現場”に出て、意見を聞き、観察し、体験して、お客様目線で考えて(感じて)、”現実”をつかみ取りことです←マーケティング活動。
※マーケティング 参照 クリックしてください
売れる物(商品・サービス)づくりそのものは、現場で把握した現実をもとにして創造されます。
顧客が求めているのは商品やサービス通して実現される効用(経験)です。
効用の創造は、企業が顧客に対してなさなければならないミッション(使命)です。
<売上(収益)について>
企業活動の目的と使命は、顧客の欲求を満たすことです。
顧客が商品・サービスによる「効用」に対して、対価を支払うことによってのみ売上が実現します。
ただし、よい商品・サービスは売上のための基本要件です。
売上が実現させるに至るためには、さらに3つの前提要件が必要です。
①価格:納得価格
②認知(コミュニケーション):知らせる
③利便:買いやすさ
これらの活動を総合的に実現させなければなりません。
これがマーケティング活動です。
そしてマーケティング活動を効果的・効率的に実施するのがマネジメントの役割です。
<費用(コスト)について>
マーケティングは、売上を実現させるための活動です。
しかし、利益は生産性の向上によって直接増大・実現されます。
売上を計上しても、それを上回る費用が発生していては利益は実現されません。
※生産性 参照 クリックしてください
利益を増大させるには、不要な費用の削減を行うことです。
売上にかかわりのない費用を一切削減することです。
売上に貢献する費用(コスト)のみが許容される費用(コスト)です。
必要コストには2つのコストがあります。
1つは、現在のためのコストで、もう一つは将来のためのコストです。
①現在のためのコスト
現在のコストは、絶えず生産性を向上させて削減を行い利益の増大をはかります。
②将来のためのコスト
将来コストは、将来の売上と生産性の向上を実現させるためのコストです。
開発費、人材育成費、広告費、システム構築費、ネットワーク構築費などで
イノベーション(革新)、戦略を目的に費消されます。
利益はこの未来の売上を実現させるための原資であり、可能限度額まで最大に投資を行うことが必要です。