イノベーションの事例
<イノベーションの事例>
イノベーションのほとんどは、失敗に終わります。
イノベーションで大切なのは「数」で、結果はやってみなければ分からいないので「質」の追求は二の次になります。
イノベーションの成功は、実行してはじめて知ることができます。
ここで大切なのは、最初から多額な予算をかけてホームランを狙うのではなく多くのバント・ヒットを試みることです。
今やイノベーションは日常業務になります。
イノベーションができなければ、企業は衰退に向かいます。
ただ、イノベーションに成功の兆しが見えたらトップ・マネジメントの管轄のもとに別組織でチャレンジすることが求められます。
<技術的イノベーション>
もっともイメージし安いのは、技術的なイノベーションで発明です。
エジソンの電球や蓄音機やタイプライターならすぐに理解できます。
近代になって多くのメーカーは、決断をもってイノベーションを行うことでもって中核企業に成長しました。
電化製品でイノベーションのスターは、ソニーです。
ソニーは「世の中に必要なモノ」で「誰もしないモノ」さらに「困難なモノ」をするという理念を持っていました。
ホンダは多くのオートバイ・メーカーが林立していた時に、先進国の技術をまねることを良しとせず、寝る間も惜しんで独自技術の開発に努めました。
その中で圧倒的な性能を実現させて「マン島のTTレース」で1位から5位まで独占する快挙を実現しています。
IBMのコンピュータは、用途がまだ定かでないでない状況の中でオフィス仕様に重点化して大成功を収めています。
イノベーションの成功のためには、社会が欲しているという要件が条件ですが、つくってみなければ分からない場合もあります。
大いなる賭けですが、必死に説得して売り込み社会の思わぬ反応を見過ごすなくチャレンジすることが必要です。
<販売方式のイノベーション>
スーパーマーケットやコンビニエンス・ストア、フランチャイズ・チェーンなどがあります。
そして、最近はネット・ビジネスが販売の一つの中核を占めるようになってきています。
そのために、今やこのルートをいかに活用するかがイノベーションの要件になってきています。
今や、6次産業と称される産地の商品に付加価値を加えて販売を行うことがイノベーションの主流になってきています。
ネットはツールです。
そこに、顧客が満たされていない欲求をいかに対応するかが、成功の基本要件となってきています。
特にコンビニエンス・ストアはイノベーションの集積です。
便利(コンビニエンス)と言う効用を核に、品揃え、営業時間、扱い商品(サービス)等の機能を付加します。
金融の住宅ローンもイノベーションです。
なかには大失敗のサブプライム・ローンもありますが、これはよいイノベーションと勘違いされた「まがい物」と結論せざるを得ません。
僻地のお年寄りや都市でも買い物が自由にできない人たちを対象にした巡回販売で成功している企業があります。
ここで少し成功要件を確認すると、これらの困っている人がどこにいるかを明らかにしてその人たちに認知してもらい要望を聞き届けることがポイントになっています。
<生産方式のイノベーション>
<セル生産方式>
1人または少数の作業者チームが、部品や工具をU字型などに配置したセルと呼ばれるラインで製品の組立工程を完成まで受け持つ生産方式です。
<T型フォード>
アメリカのフォードのT型フォードは複合的なイノベーションです。
ベルトコンベアーシステムにより、高品質の製品を低価格(他社の約3分の1)で販売し、
安定的従業員確保のため、労働者の賃金も2倍にという仕組みを実施しました。
効率よく働く労働者には高い給料はアメリカでの中流階級の出現につながり、
購買意欲の向上をもたらすという「社会的なイノベーション」にもつながる契機をつくりました。
その他にも、あらゆるイノベーションがあります。
ディズニーランドもイノベーションです。
iPhoneも大いなるイノベーションです。
上記のイノベーションは、到達ビジョンが強くあり信念に持って実行されました。
強いイメージ・ビジョンは、大いなる成功をもたらすことのできる原動力です。
イノベーションの種は尽きることはなく、永遠に企業に成功の機会を提供します。
しかし、一方では中堅企業といえども、ライバルがイノベーションに成功すると一気にその地位が奪われ加速度的に衰退します。
イノーベーションは、企業にとって特別な活動ではあり得ず、いかにその機能を組織化して取り込み実行するかが基本的な経営者の仕事と言えます。