人事評価
<人事評価>
正しい人事評価のあり方は、すべての従業員(パートナー)たちが高い評価されるようにマネジメントすることです。
人材は最高の経営資源です。
しかし、すべて分野で能力を発揮できる人材はいません。
すべての分野でそれなりの能力を発揮するとしたら、その能力には限界があります。
人材の活用のポイントは、長所を最大に引き出し短所を補うことにあります。
知識、能力は育成することができます。
しかし、育成することのできない特性があります。
それは、真摯さです。
人材採用の最大のポイントは、真摯さを見極めることです。
<ポイント>
人材評価は成果実現のため育成することが目的です。
それぞれの持つ特性を確認しつつ、「勇気づけ」することがポイントです。
一番誤りは、上司の優越感を満たすために「勇気くじき」することです。
人材評価の正当性は、人材の幸福を実現することを通して社会に貢献し業績を向上させることです。
<人事評価の前提>
①目標の明確化および目標設定への参画
まず、5つのことが明確でなければなりません。
①価値観
コンセプト(理念)、ミッション(使命)
②行動規範
③ビジョン、全体の成果目標、
④部門成果目標
⑤個別成果目標
※個別目標は、全体目標および部門目標との関連が明確でなければ設定できません。
「私達」は何をしなければならないのか、そしてそのなかで「私個人」は何をしなければならないのか。
これらが明確になってはじめて、自身の目標とする仕事が明確になります。
部門長は全体目標の設定において参画しなければなりません。
各担当は、部門目標の設定において参画しなければなりません。
②継続学習
成果の実現には、知識の獲得およびスキルの向上が必要です。
すべての段階において、教育訓練および自己研鑽の機会を提供しなければなりません。
③適正配置
適正配置は、本人の意思を考慮しながら最適人材を配置します。
④バックアップ・システム
部門の目標をもとに自身が目標を設定して、成果を達成度を評価できるようにバックアップ・システムの構築する。
⑤評価・調整
担当と上司の目標達成度についての認識のすり合わせを行う。
成果を評価しながら、必要な対策を上司及び担当とともに確認する。
成果を実現できるように、到達度を確認しチャレンジ目標を明確する。
⑥支援
目標の進捗状況を確認しながら、達成できるように必要な支援を行う。
<人事評価の目的>
人事評価の目的は、働く人を企業ミッションが実現できるようにかつ成果が得られるように、あるべき「考え方」と「行動」へ導くために行うものです。
そしてまた、貴重な経営資源である人材が、そのぞれの個性と特性のもとに成長し喜びを感じられるように機会を与え支援し育成することです。
よくある危険な考え方があります。
それは、よく働いた人と働かなかった人を区別するという考え方です。
この考え方での人事評価が、短期的にはまったく効果はないとは言えません。
しかしこの方法は勘違いしやすく本質を取り違えた愚かな方法でマイナスに働き、長期で見ると害をなすことになります。
<人事評価の目標>
人事評価の目標は、顧客と社会と企業に貢献してもらうために偏在する「個人の能力」を把握し、その能力の「成長と発揮の機会と環境」を与えたうえ成果が実現できるように支援し導くことです。
そのためマネジメントが行わなければならないのは、
企業のコンセプトを確立し、この①コンセプトに共感する人材を採用し、採用したからには②評価されるように育成することです。
人が必死に”真摯”に仕事に取り組むのは、
①好きな仕事を通して成長でき、
②社会に貢献できることを感じられ、
③上司や同僚の賞賛が得られたときです。
一般的に勘違いして導入されているのは、一見、合理的に見えそうな安直な数値を、あたかも有意性があるように勘違いして評価基準に用いることです。
たとえば売上ような、その成果の達成について、因果関係が明確でない基準を用い評価することです。
評価は、人の能力を伸ばし喜びを感じ成長し、最大の貢献を実現させるためにあります。
人事評価の唯一の目標は、顧客の満足といった成果の実現のために、それぞれ個人が持つ貢献能力を、引き出して育成することにあります。
意味を取り違えた人事評価制度は、貴重な人的資源をつぶす効果しかありません。
人事評価は労力を要する非常にデリケートなものです。
顧客のために効果のある活動をいかに創りこむかが、人事評価を行う目的です。
評価するために評価するものではありません。
評価は、個別の企業の納得性のあるコンセプト・ビジョンから導き出された、目的を持つ納得性のあるものでなければまりません。
見える数値は、評価する側においては、納得させやすく感じますが、評価される者にとっては素直に納得できるものであるとは限りません。
前述したように、特に良くあるのは売上で評価することです。
売上は企業の総合力として結実するものです。
だれのどのようか活動が、売上を実現させたかその因果関係は簡単に分かりません。
だから、この数値でのみ評価するのは、評価する側はすっきりとしていて心地よく簡単ですが、真の効果は疑問です。
内部の調和を破壊し、本来あるべき活動をゆがめる可能性すらあります。
付け加えると、数値として評価するとしたら評価すべきは利益であるべきです。
一般的行われている人事評価には、定性的な評価もあります。
望ましい行動特性があり、その特性の達成度を評価します。
ここでも多くの行われているものに間違いがあります。
それは、数値基準より害は少ないのですが。
本来の目的から遊離した基準がとられていることです。
<定性基準の基盤>
定性行動の基準を設定するのは、それぞれの企業のコンセプトやビジョンの実現が目的です。
コンセプトやビジョンの実現のために評価基準が設定されなければなりません。
なぜなら、企業が強みを獲得するのは、「強み」の核となる一貫性のある行動が統一して行われなければならないからです。
<人事評価の目的>
人事評価の目的は、人材の育成です。
そのことを通して①マーケティングの成功、②生産性の向上、③イノベーションの実現し利益の獲得することです。
それらはひとえに成果を実現する人的資源の獲得と成長にあります。
人事評価は間違った認識のもとで行われれば効果がないだけでなく害をなします。
間違って行うのなら、行わない方がはるかに良い結果を生みます。
しかし、人事評価は、行われなければならない経営の根幹です。
それは、トップマネジメントが中心になって最大の労力を傾け取り組まなければならない活動です。