意思決定
<意思決定>
意思決定は経営者が行う仕事です。
現場に適切に権限移譲されている場合は、現場の責任者が行う仕事です。
ただし、現場の責任者を任命するのも経営者の仕事でもあります。
意思決定は、すべて経営者にかかわる責務です。
<意思決定の合理性>
絶対的に正しい意思決定を行うことは不可能です。
意思決定の対象である外部について知りうる情報が限られているからです。
限られた情報をもとに判断しなければならないのが意思決定です。
意思決定に関わる要素は3つあります。
①目的・目標
企業にはあらねばならない目的と、達成しなければならない目標があります。
これを間違えると、正しい成果は実現されません。
そのため、この目的・目標を関係者に提示し、参加してもらい「意思決定」することによりはじめて「実行」は焦点を持ち「強み」が形成されます。
②意思決定に関わる情報
目的・目標を前提として何を実行するか意思決定しなければなりませんが、
その前に「問題点」は何か、「解決のための課題は何か」を明らかにしなければなりません。
そのための情報を知り得るのは、顧客や現場に接する社員(従業員)です。
「問題点」と「課題」は、関係者が参加し、関連する一次(生な)情報の収集され多面的に検討することによりその構造が明確化します。
この過程をとおして、関係者全員が「問題点」と「課題」について認識が共有化されます。
③使命感
使命感の形成こそが、より活力あるより合理性のある意思決定が実現される基盤です。
関係者全員からの情報収集だけの目的でなく、目的・目標の提示、問題点の把握、課題の発見への参加はコンセンサスの形成はもちろん「使命感」の醸成のための大切な過程です。
最終の意思決定は経営者が行うべき責務ですが、高所に立った判断ができるということもあるが、その合理性は「使命感」による故です。
「意思決定」は、「不確実な外部情報」を源泉としながら3要素(①目的・目標、②現場の情報、③使命感)により、関係者全員のコンセンサスが形成されて強い活力のもとに実行が行われます。
<意思決定の段階>
意思決定の目的は、”成果を実現するため”に”実行”することです。
そのため意思決定は以下の段階を経て行われます。
<意思決定の前提>
①目的・目標の提示:トップマネジメント、プロジェクト責任者
②情報の収集:現場で顧客、現物と接する従業員
③問題点の把握:実行関係者
④課題の抽出:実行関係者
<意思決定>
⑤意思決定:最終決定者はトップマネジメント、プロジェクト責任者
<意思決定の実行>
⑥責任者の選定:トップマネジメント、プロジェクト責任者
⑦実行:現場で顧客、現物と接する従業員
<問題点把握の意義>
意思決定には責任がともないます。
そのため、成果の達成に貢献できる意思決定を行わなければなりません。
しかし、責任ある意思決定に必要な情報は多岐にわたり、またあらゆる関係者が異なる見解を持っています。
意思決定においては、関係者による問題点の明確化とそもそも意思決定が必要かといったコンセンサスの形成からはじめなければなりません。
間違った問題点の把握のうえでの正しい意思決定は、まったくの無駄です。
状況によっては害すら及ばします。
また、意思決定において求められることは実行であり、実行が効果的に行われるための仕掛けが必要です。
それが、意思決定の参加と実行への参加です。
<実行への手順>
①実行に関わるメンバーが集まり、各専門分野・担当業務の立場より問題点を明らかにする。
②各々の立場より出された問題点について検討し、問題点の構造を明らかにし共有し、実行のための核心なる課題を明確にする。
③核心となる課題についての解決策について関係者が参加し検討し、トップが最終意思決定を行う。
④トップが実行のための責任者を任命し、メンバーは共有した課題解決の方向性を共有し自身の役割と関係性を認識する。
⑤適切な実行のために必要な仕掛けづくりを担当者つくりあげ、トップはその実行が円滑に運用されるように総合的に支援する。