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経営の差をもたらすのは“人材力”  167

< 経営の差をもたらすのは“人材力” >

 

1.根幹の3つの人材       
   硬い言葉で話を始めますが、
    基本を外してはコトはならないので、お付き合いください。
  
    企業(組織)が顧客の欲求を最大に満たすならそれを続けるならば、顧客は
  企業が提供する効用(商品・サービス)に対価を支払ってくれます。
  すべての企業活動は“顧客”を対象として目的として行われるものです。
  何故なら企業の存続を保証してくれるのは唯一顧客であるので、企業活動は
  その顧客の欲求、現実、価値観にあわせることが全てとなります。

  これは有利なポジションを確約させるための基本的な「考え方」です。

  要は「顧客を喜ぶことを、誰よりも上手にすれば儲かりますよ。」というこ
  とで、これがたった一つの事業を成功させるについての道理です。  
  そして上を目指すなら一人では実現できないので、そのために“有能な人材”
  を集めてその能力を最大に発揮してもらわなければなりません。
  ところで、この「人材の活用」というのが非情な難題なのです。

  今回は“人材”について分析して行きたいと思うのですが、
  上記の定義に従い、経営者がその責務である企業の存続をはかろうとするな
  らば“有能な人材”の定義はただ一つであるのでこの視点より考えます。
  その視点とは「顧客を喜ぶことを、誰よりも上手に」が、それです。

  陳腐ですが「経営は人に始まり人に終わる」と言われています。
  また松下さんを例にあげますが、最も意を注がれたの“人材力”で、どのよ
  うに発掘するか、育成するか、活性化させるかでした。
  なぜそうされたのか、合理的に実利的につきつめて考ると、それしかないか
  らで「人こそが、すべての力の根源」であるがためなのです。

  「超優良企業をたち上げた経営者」は、皆その「普遍の道理」をよく知りぬ
  いたかたまたまそうなったのかは別として、それぞれがそれぞれのやり方で
  “道理”に則った経営を行いました。  これが今回の前置きです。

  “人材”についての基本を考えて行きます。

  <成果実現のための根幹を成す3種の人材>
  事業を行うについては、3種の役割の人材が求められます。
  第一は、トップマネジメントつまり経営者および経営幹部
  第二は、マネジャー(これはドラッガーの用語です)それぞれの部門で“成
  果”が実現されるように責任を持つ人
  第三は、専門家で直接、間接にかかわらず“効用”をつくり出す人 です。

  本来的に、経営を行うについてはこの3種以外の人材しかいないと言えます。
  付け加えてすべての従業員は“専門家”として位置づけられ、その持てる“潜
  在力”の具現化が経営の中心課題ともなります。
  代表的なものとしては「トヨタ」で、現場の従業員の尽きることのない“智恵”
  と“創意”を絞り出し続けて“恒常的”に“カイゼン”を継続させています。

  今回も、松下幸之助さんの言葉を入れます。
  「半分は先輩から教えてもらう、半分は部下から教えてもらう。」
  「すべての人を自分より偉いと思って仕事をすれば、必ずうまくいくし、とて
  つもなく大きな仕事ができるものだ。」
  「なすべきことをなす勇気と、人の声に私心なく耳を傾ける謙虚さがあれば、
  “知恵”はこんこんと湧き出てくるものです。」

  人材は“違いをもたらす”ための決定的で根幹の経営資源であり、
  この経営資源からは、無限の知識、知恵、情熱を引き出すことが可能です。
  これを“考えること”“実行すること”が「経営のコツ」となるでしょう。

2.トップマネジメント  
  <トップマネジメント>
  全てはトップマネジメントから始まります。
  まず何をするのか、事業である限り“外”つまり顧客、社会に対して貢献を
  行うことは当然ですが「どこに集中する」かが問題で。
  ドラッガーはマーケティングを実践するについて、その前提を「市場での地
  位」と「集中する(焦点の絞る)」こととして最重視しているように。
  
  ・集中すべき焦点を絞るについての基準
  1.未だ満たされていないか充分に満たされていない顧客の欲求に焦点を絞る
  2.あなたにしかできないか、最もできること、強みに焦点を絞る
  3.あなたのしたいことや得意なことに焦点をしぼる
  これが重なるところが“強み”の「ドメイン(領域)」で、すべきコトです。

  優良企業ではこの「重なる分野」に集中、特化して事業展開を行っています。
  例をあげれば限がなく、これは後の道を開く核心となるものです。
  これを外した時には、業績の下降という“症状”が表れます。

  ・使命(価値観)を経営理念(コンセプト)として明らかに
  その集中する事業の意義、意味を、誰でもが理解し共感できるように「見え
  る化(言語化、ビジュアル化等)」しなければなりません。
  その理由は「有能な人材」および「魅力的な資金」を集めるために、そして
  経営者本人および人材の活動の方向性をブレさせないために。

  ・トップマネジメント・チーム
  強く安定した優良企業になれるかどうかの極(きわみ)は「トップマネジメン
  ト・チーム」の存在で、
  どのような“メンバー”を集めるかによって行く末が決せられるのですが、
  それは『価値観を共有できる人』が大前提とされ、それから経営者に不足して
  いる“能力”を補完できるかどうかとなります。
  ※このメンバーは、アウトソーシング(外部委託)もありえます。
  
  代表的な事例としては、
  ホンダにおける藤沢秀夫さん、ソニーにおける盛田昭夫さん、パナソニック
  のおける高橋荒太郎さんで、経営者がすべてを行うのは不可能で、然るべき
  補佐役、後継者、補完者なくして中堅企業への成長はおぼつきません。

  
  多くの企業の「経営者(トップ・マネジメント)」で惜しまれるのは、 
  起業し運営できる“能力”と“情熱”を持ちながら、不思議なことに「卓越
  するための基本原則」を知ろうとしないことです。
  そのために、生き甲斐が生じず、楽しまず、信念が持てず、故に他の人を納
  得させえず、協力を引き出しえずという境涯のままに置かれます。

  ところで、時たま事業も宝くじのように当たることがあります。
  大金がドット入ってきて、モノは買い放題、夜は遊び放題となります。
  しかし、原則を踏まないのでは、そこからは物心ともに先がありません。
  顧客を忘れ、社員の共感が得られずでは、どのようにしたら気まぐれの“幸
  運”をつなぎ留めることができるのか、それはほとんど不可能なことです。
   
  長く“幸運”をつなぎ留めるには「もっともうまく行っていること」を学び、
  その「うまくいっている意味合い」を悟って“自身の心”とすることです。
  これができたなら応用は無限に拡がるというものです。