仕事のマネジメント
<仕事のマネジメント>
「仕事」とは成果をもたらすための活動のことを言います。
成果とは、現在もしく将来に顧客の欲求を満足させることです。
そして、そのことを通して「利益(余剰キャッシュフロー)」を得ることです。
それ以外の活動は、「仕事」ではなく「作業」であり「自己満足」のみであるので「ロス」であるかまたは「マイナス」となります。
不要な「仕事」でない作業は、成果の達成にとっての障害になってしまいます。
このため「仕事のマネジメント」も3つの基本指針に従います。
①すべて仕事は「顧客の欲求の満足」のために構想され、計画され、実行される。
②「顧客の欲求の満足」はマーケティングにより「収益(売上)」として実現されるが、収益をより多くの「利益」とするためには「生産性の向上」が必要である。
③継続的な存続と成長のためには「よりよいの顧客満足」をめざして、リスクをかけてのチャレンジつまり「イノベーション」が必要である。
<顧客の欲求の満足>
顧客満足を実現のために行なうすべての活動が「マーケティング」です。
※マーケティング 参照 クリックしてください
<焦点を絞る>
最初に行うべき作業は、「焦点」を定めることです。
それは、「私たちの顧客はだれか」ということと「私たちは何をなすべきか」ということを明らかにすることです。
顧客の選択基準は、
自身が総合的に判断し「一番」満足できるか、または予想されることです。
そのため、自社の「使命(ミッション)」と「強み」によって、ターゲットとすべき顧客に集中して一番の満足の実現をめざすことです。
(貢献できるかどうかの判断は、顧客自身が判定します。そのため、まずは予測して行動をおこします。その結果を見てさらに判断を行います。)
先行する基準は「使命(ミッション)」です。
「強み」については、既にあることも必要ですが、「使命感」に強さがあれば少しずつ創造・構築することも可能です。
また、常に創造・構築し続けることが求められます。
私たちの顧客はだれか→事業領域(ドメイン)
私たちは何をなすべきか→経営理念(コンセプト)
※コンセプト 参照 クリックしてください
「コンセプト」と「ドメイン」は、企業活動の基本な志向方向を示す「共通認識(ベクトル)」を提供します。
共通認識なくして方向性(ベクトル)は形成されません。
※経営者の仕事 参照 クリックしてください
<実行のための共通イメージ(ビジョン)>
「共通認識」は働く人間に働く方向性をしめしますが、
「マーケティング」の実行のためには、総合的な到達イメージが必要です。
その構想が「ビジョン」です。
※ビジョン 参照 クリックしてください
<複合満足要素「効用」>
「ビジョン」をもとにして、「顧客満足」実現のための要素を分析します。
分析によって明らかにしなければならないのは複合満足要素「効用要素の集合」です。
「効用」は、顧客の欲求の満足を目的にして商品・サービスのなかに込める要素です。
顧客が求めているのは「モノやコト」ではなく「効用」です。
「効用」こそが、「仕事のマネジメント」がつくりあげるべき「複合単位」です。
※効用 参照 クリックしてください
<効用の実現の仕組み>
「効用」は複合した単位から成り立っています。
基盤単位:欠けていると不満足につながる効用単位で、基本機能、品質、基本サービスなど
満足単位:これが付加されていることにより満足感を増加させる効用単位、買いやすさ、扱いやすさ、デザイン、ネーミング、ブランド、ちょっとした付加要素、かかわりあいなど
補足単位:不満をふせぐ活動、クレームへの対応体制、感動をつくり込む活動
①基盤単位は、
欠けることのできない要素なので確認して作りこんでいかなければなりません。
②満足単位は、
商品力を強化する要素なのできっちりと読み解いて付加してゆかなければなりません。
③補足単位は、
この活動は、ある意味企業の盛衰を決する単位です。
不満防止は絶対条件です。
感動こそが、現在では企業競争優位のための必須要件になりつつあります。
これらの効用要素を商品やサービスのなかにつくり込んで行くためには、
つくり込みに必要な「経営資源」と「活動」を明らかにしなければなりません。
そして、つくり込みのための「プロセス」と「関係」を明らかにして「組織」を構築しなければなりません。
さらに、活動は「管理」して円滑に目的・目標を達成するために統制します。
<プロセスと組織>
活動単位は「プロセス」として関係性と時間軸のもとに「プログラム」化し、「スケジュール」化して事業計画として設計します。
また、「プロセス」のなかの活動要素を目的・目標・関係性・関連性を明かにしたうえで、具体的な「組織」として構築します。
※プロセス 参照 クリックしてください
※組織 参照 クリックしてください
<管理>
「狭義の管理」は、
活動の目的・目標と行動基準に基づいて、動機づけし、測定して、そして評価することによって統制を行います。
目的・目標はビジョン・事業計画によって示されます。
行動基準は企業の価値観(コンセプト)、行動規範によって導かれます。
「管理」は、成果(効用のつくり込み、利益の獲得)の実現を目的・目標に実施されなければなりません。
しかし、狭義の管理の効果には限界があり、かつ成果の実現そのもには直接かかわる活動ではなくコストも要します。
狭義の管理は、完璧に実施していると思えば思うほどロスとマイナス効果を増大させることになります。
成果を生み出す活動を、いかに管理(狭義)せずに実現するが企業の課題です。
※管理 参照 クリックしてください
最も効果的な管理は、価値観による管理です。
価値観を共有しているとき、目標とビジョンのベクトルが明確になりさえすれば
自ずから適切に意思決定され強い使命感のもとで必要な行動が導き出されます。
これが、企業文化(風土)であり最高の管理の到達点です。
「仕事」の前提は論理性です。
「仕事」は、”合理的”に“論理的”に設計されなければなりません。
しかし、「仕事のマネジメント」は「人のマネジメント」を通してこそはじめて「エネルギー」を与えられ効果的に実現されます。
「仕事」は論理的な「仕事のマネジメント」を前提として、効果的な「人のマネジメント」を行うことによって成し遂げられます。
※人のマネジメント 参照 クリックしてください